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不動産投資講座
16.不動産運用(所有)時にかかる費用(I)
 不動産投資の収支計画を立てる上では、不動産運用(所有)時にどのような支出がどれぐらいかかるのかを事前に押さえておく必要があります。今回は、不動産運用時に「経常的にかかる支出」について触れていくことにします。
(1) 維持管理費、維持修繕費
 「維持管理費」とは、水道光熱費などの実費の他、入居者やテナントの募集、入居者に対する賃料請求、入金業務といった入居者の管理業務にかかる費用のことをいいます。「維持修繕費」とは、日常清掃業務、定期清掃業務、保守・点検、警備業務といった建物の経済的価値を適正に維持管理及び原状回復するための費用のことをいいます。
 入居者の管理、建物の維持・管理といった業務を、不動産管理会社等に任せる場合には、不動産管理会社に管理手数料を支払うことになります。管理手数料は、どこまでの業務を委託するかによって、その金額は異なってきます。費用(コスト)対効果(管理の質の向上によって見込める収益のアップ)を勘案した上で、業務を委託した方がよいでしょう。

<ご参考〜修繕費に関する税務上の取り扱い〜>
 一般に修繕費といわれるものは、大きく2つに分類することができます。入居者が退去した場合などに都度行うような原状回復のための費用(いわゆる「修繕費」)と資産価値の増加などにつながる「資本的支出」(通常、大規模修繕)の2つです。前者はその年分の必要経費として処理できますが、後者は、建物等の取得価額に加算され、何年かにわたって減価償却しなければなりません。「修繕費」か「資本的支出」かの主な判断基準は以下の図表のとおりとなります。

<修繕費と資本的支出の例>
修繕費
資本的支出
○明らかに修繕費とされるもの(例)
  • 壁紙の張替え
  • 畳の表替え
  • 毀損したガラスの取替え
  • 障子、襖の張替え
修繕費か資本的支出であるか不明なものについては、支出額が60万円未満か、前期末取得価額の10%以下であれば修繕費とすることができる。
○資本的支出となるもの(例)
  • 避難階段の取り付け
  • 用途変更のための模様替え
  • 外壁をモルタル塗りからタイル張りにした場合
ただし、概ね3年周期で行われる修理・改良など、または一つの修理、改良などの金額が20万円未満のときは「修繕費」とすることができる。
※上記は一応の判断基準となります。特に大規模な修繕を行う場合には、実務上様々な問題が発生しますので、税務署に確認した方がよいでしょう。

(2) 土地および建物の固定資産税、都市計画税

 固定資産税は、毎年1月1日現在において、土地・建物等の固定資産を所有している人(登記簿または固定資産税台帳に所有者として登録されている人)に対して、その所在地の市町村(23区は東京都)が課税します。都市計画税は、都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てることを目的とします。毎年1月1日現在における土地・建物等の所有者に対して、固定資産税同様その所在地の市町村(23区は東京都)が課税します。
 住宅用地については、特例措置があります。住宅の敷地で住宅1戸あたり200平方メートル以下の部分を「小規模住宅地」、住宅1戸あたり200平方メートルを超え、住宅の床面積の10倍までの土地を「一般の住宅用地」とみなし、固定資産税の課税基準となる価格(固定資産税評価額)が軽減されます。
 なお、固定資産税評価額は原則、3年ごとに改定されます。

<一定の住宅用地の場合の固定資産税・都市計画税の計算>
  
固定資産税の計算式
都市計画税の計算式
小規模
住宅用地
固定資産税評価額×1/6×1.4%
固定資産税評価額×1/3×0.3%
一般の
住宅用地
固定資産税評価額×1/3×1.4%
固定資産税評価額×2/3×0.3%

 建物についても、一定の要件を満たす住宅を建築した場合、新たに課税される年度から3年度間(地上階数3以上の耐火・準耐火建築物は5年度間)に限り、120平方メートルまでの居住部分に相当する固定資産税額(建物分)の1/2が軽減されます(※)。
 貸家住宅の場合は、住宅の床面積(共同住宅は、1戸あたり)が40平方メートル以上280平方メートル以下(自己居住用部分の場合は、50平方メートル以上280平方メートル以下)であること、店舗などが含まれる併用住宅の場合は、建物の総床面積の1/2以上が居住用であることが主な要件となります。

(※)東京23区内では、2008年1月1日までに新築した場合、新築から3年、建物の固定資産税・都市計画税は全額減免されます。

(3) その他の項目
 建物の火災保険の保険料(所在地、規模、構造、保険期間の設定の仕方などによって金額は異なる)や借入金の利息などがあります。借入金の利息に関しては、別の機会に触れていきます。



[FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 大倉修治]
     
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