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15.不動産取得時に知っておきたい法律知識(II)
   〜不動産の売買契約に際して知っておきたい法律知識〜
 今回は、不動産の売買契約に際して留意しておきたいポイントを中心に触れていくことにします。
(1) 売買対象面積
1.土地の面積
 土地の面積は、不動産登記簿上の面積(登記簿面積=公簿面積)と実際に測量した場合の面積(実測面積)が異なる場合があります。主な理由しては、登記簿の面積は、明治時代に国の地租制度の改正のため全国で測量が実施された当時の面積が記載されていることがあげられます。当時と今の測量技術の差、地租徴収を減らすために面積を少なめに申告されていたこと多いなどの理由から、実測面積と異なる場合があるという話になります。
 登記簿面積で売買する場合は、後日、実測面積と登記簿面積に差異があることがわかっても売買代金の増減精算を行いません。一方、実測面積で売買する場合は、契約時に実測面積が判明していれば後で精算の必要はありませんが、登記簿面積を前提に売買契約を行い、引渡しまでの間で土地の実測を行うようなケースで、実測面積と登記簿面積に差異が生じた際には、その面積の差につき売買代金の増減精算を行うことになります。こういった場合の測量費用は通常、売主負担となります。事前に、登記簿面積、実測面積どちらで契約するのか、実測面積が登記簿面積より大きい場合には実測面積による代金の精算をするのかしないのかといったことは確認しておいた方がよいでしょう。

2.建物の面積
 マンションの一室(※)を購入される場合については、売買契約上の面積(建築確認上の面積)と登記簿面積の数字が異なることに留意しておく必要があります。売買契約上の面積は壁芯計算、登記簿面積は内法計算による為です。
 壁芯計算とは、建築基準法上の計算方法で、文字どおり壁の中心線を基準として面積を算出します。一方、内法計算とは、壁、その他の区画の内側線で囲まれた部分の面積を算出します。ですから、面積の方が登記簿面積より大きくなります。
(※)一戸建ての場合は、通常、建築確認上の面積、登記簿面積ともに壁芯計算で行われます。

(2) 売買代金の支払い時期
 売買代金の支払いは、引渡しや所有権移転登記申請手続きと同時に履行されるが原則となっています。実務上は、まず手付金を、次いで売買代金の一部として中間金を支払い、最後に引渡しや所有権移転登記申請手続きと引き換えに残代金を支払うといった形態のものが多いようです。
 手付金とは、売買契約成立の証拠といった目的で授受される金銭で、法的には売買代金の一部ではありません。しかし、実務上は「売買代金の一部に充当します」という文面が記載されていることが大半です。手付金には、証約手付(契約が成立したことの証として授受される)、違約手付(契約違反などの場合に、違約罰として没収されるという趣旨で授受される)、解約手付などいろいろな性質があるとされていますが、その位置づけについては、契約当事者によって決定することになります。当事者間で明確な取り決めがない場合は、民法では解約手付と推定します。
 不動産業者が売主となる不動産の売買契約において、解約手付とは、相手方が契約の履行に着手するまでは、契約の解除をすることができるといった趣旨で授受される手付のことをいいます。つまり、契約解除権を留保するといった性格を持ちます。この場合、買主は交付した手付金を放棄(手付流し)して、売主は手付金の倍額を提供(手付倍返し)すれば契約を解除することができます。しかし、解約手付による契約解除はいつまでもできるわけではなく、相手方が履行に着手した以後はできません。履行の着手とは、具体的には、売主については売却を前提した登記、買主については売買代金の提供とともに引渡しを求めたとき、中間金や残金を支払ったときなどを指します。代金支払いのためのローンの申込みなどは履行の準備とみなされ、履行の着手にはあたりません。

(3) 危険負担
 例えば、売買契約が成立した後に目的物件である建物が類焼などで焼失してしまい、売主が引渡しできなくなってしまったような場合に、買主の代金支払債務の扱いはどうなるのかといったことを「危険負担」の問題といいます。
 民法では買主が代金全額を支払い、建物が焼失した敷地を引き取ることとされています。しかし、危険負担は特約により売主の負担とし、建物が滅失した場合には契約を白紙解除(売主または双方)することができるといった条項が入るのが一般的となっています。

(4) 瑕疵担保責任

 不動産業者が売主となる不動産の売買契約において、その目的物(建物等)の売主としての瑕疵担保責任に関し、民法で規定する買主の権利行使の期間(「瑕疵を知ったときから1年」)より買主にとって不利な特約をしてはなりません。ただし、例外として、「引渡しの日から2年以上の期間」とする特約は認められています。これに反する特約で買主に不利なものは、無効となります。
 なお、新築住宅の取得の場合(売主が不動産業者)には、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(住宅品確法)により建物の主要構造部分(基礎、柱、屋根、床など)についての瑕疵担保期間が引渡し時から10年となります。

以上のような点については、事前によく認識しておいた方がよいでしょう。



[FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 大倉修治]
     
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