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不動産投資講座
8.不動産市場の見方
 不動産投資を行う上では、不動産市場の動向を押さえておく必要があります。今回は、不動産市場について「地価」のチェックの仕方を中心に見ていくことにします。
(1) 地価(土地の価格)に関するデータ
 不動産の価格には、自動車や家電製品といった物品と異なり、“定価”が存在しません。また、実際に売買される価格(実勢価格)は、買主と売主の合意(≒需要と供給のバランス)に基づき決まる(≒売主、買主それぞれの“事情”も絡んでくる)部分が少なからずあるので、一般生活者からすると非常に分かりにくいものとなっています。
 そこで、一般の土地取引の指標になるものとして、「公的な価格」が設けられています。代表的なものとしては、国土交通省が公表する「公示価格」、都道府県が公表する「基準地標準価格」があります。その他にも、相続税評価に用いられ、国税庁が公表する「相続税評価額(路線価)」、固定資産税等の算出の基となる「固定資産税評価額」があります(以下の図表参照)。

<公的な土地価格の一覧>
名称
決定機関
価格の基準日
発表日
特徴(評価の目標など)
公示価格
国土交通省
毎年
1月1日
3月下旬頃
一般の土地取引の指標
基準地
標準価格
都道府県
毎年
7月1日
9月下旬頃
一般の土地取引の指標
相続税
評価額
国税庁
毎年
1月1日
8月中旬〜
8月下旬
相続税、贈与税等の算
出の基礎。公示価格の
80%程度
固定資産税
評価額
市区町村
東京23区は
東京都
原則、基準年度
の前年の
1月1日
3月1日
基準年度は
4月1日
固定資産税、不動産取
得税、登録免許税等の
算出の基礎。公示価格
の70%程度

 まずは、公的な価格を参考にした上で、実際の取引事例の価格(実勢価格)(※1)を調べてみるとよいでしょう。
※1:国土交通省の「土地総合情報システム」やレインズ(不動産流通機構)などを活用するとよいでしょう。

(2) 地価の動向について
 平成18年の公示地価は、全国平均では「住宅地」、「商業地」ともに15年連続で下落しましたが、東京・大阪・名古屋の「三大都市圏」の商業地では堅調なオフィス需要を背景にした不動産投資の拡大などにより上昇に転じ、東京都では住宅地についても15年ぶりに平均で上昇するなど、全体的に下げ止まり感が出てきました。しかし、地方圏では、全体では下落幅は縮小しているものの、地方の中核都市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市など)と人口減少が見られるような郊外との間の格差が顕著になってきています。地価は、最近よく言われているとおり、都市部と郊外の「二極化」が進んでいる状況にあります。
 これからは、全体(全国平均)ではなく、個別(地域ごと)の状況をチェックしていくことが重要になってくるでしょう。具体的には、その地域の不動産の需要と供給のバランスを決める要素のひとつとなる「人口動態(≒人口の変化)」(※2)や地域経済の動向などをチェックすることが一考に値するかと思います。

※2:厚生労働省 平成17年人口動態月報年計(概数)の概況や国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口データベースなどを活用するとよいでしょう。

(3) その他のチェックポイント
 地価だけでなく、賃料についてもチェックする必要があります(投資対象が住宅であれば「賃貸住宅市場」の動向(※3)など)。
 また、「将来生み出す収益」を主な基準として不動産の評価が決まる傾向にあるという前提においては、景気の動向や金利といった経済情勢についても押さえておきたいポイントとなります。

※3:財団法人日本不動産研究所の全国賃料統計アットホーム(株)の数字で見る不動産情報(統計・賃料相場情報)などを活用するとよいでしょう。


[FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 大倉修治]
     
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