| 7.不動産投資の判断基準(II)〜一定の投資期間を基準にした場合〜 |
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| 今回は、「一定の投資期間」を基準にした場合の不動産投資の判断基準となる代表的な指標について見ていくことにします。
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唐突ですが、例えば、ボーナスとして100万円を「今もらう」のと「1年後にもらう」のとでは、どちらが得でしょうか?
「今もらう」方が得となります。100万円を「今もらう」と、それを仮に年率1%で運用できれば、1年後には手元に101万円残ることになります。一方、「1年後にもらう」場合は、100万円のままです。つまり、同じお金でも「現在の価値」と「将来の価値」では異なるということです。
「一定の投資期間」を基準に投資判断をする際には、このようなお金の時間的な価値の違いを考える必要があります。具体的には、将来得られる収益を現在の価値に割り引くといった作業を行います。
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(1)の考え方をふまえて、不動産の価値を試算する方法を DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)といいます。DCF法は、簡単に言うと不動産から将来得られる収益(キャッシュフロー)を現在の価値に割り引いて求めた金額の合計が、その不動産の価値であるという考え方です。具体例を交えながら見ていきます。
例えば、物件価格を5,000万円、不動産からの純営業収益(NOI)を初年度〜5年目まで年間325万円、6年目〜10年目までを年間300万円とし、11年目に4,500万円で売却したとします。また、投資家が期待する利回りを5%とします。その場合、DCF法による不動産の価値は約5,057万円となります(以下の図表参照)。
「現在の価値が約5,057万円の不動産」を「現在の価値5,000万円のお金」で購入できることになるので、この前提どおりであれば、投資することで利益が得られます。
この「投資対象となる不動産等の現在の価値」から「現在の投資額」を差し引いた金額のことを、「 正味現在価値(NPV=Net Present Value)」といいます。「NPV」がプラスであれば、投資をすることで利益が得られることになります。
<DCF法を用いたシミュレーション例>
| 純営業利益(NOI) |
5%の複利現価率 |
現在の価値 |
初年度 |
3,250,000円 |
0.952 |
3,095,300円 |
2年目 |
3,250,000円 |
0.907 |
2,947,750円 |
3年目 |
3,250,000円 |
0.864 |
2,807,350円 |
4年目 |
3,250,000円 |
0.823 |
2,673,775円 |
5年目 |
3,250,000円 |
0.784 |
2,546,375円 |
6年目 |
3,000,000円 |
0.746 |
2,238,600円 |
7年目 | 3,000,000円 |
0.711 |
2,132,100円 |
8年目 |
3,000,000円 |
0.677 |
2,030,400円 |
9年目 |
3,000,000円 |
0.645 |
1,933,800円 |
10年目 |
3,000,000円 |
0.614 |
1,841,700円 |
11年目 |
45,000,000円 |
0.585 |
26,325,000円 |
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現在の価値の合計額 |
50,572,150円 |
※複利現価率とは、「将来の価値」を「現在の価値」に換算する割合のことをいいます。
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不動産投資における「投資期間中の収益(キャッシュフロー)の現在の価値の合計額」と「投資額の現在の価値の合計」が等しくなるような収益率(割引率)のことを「 内部収益率(IRR=Internal Rate of Return)」といいます。インカムゲインと将来の売却価格(キャピタルゲインorキャピタルロス)を加味した、「一定の投資期間」の投資利回りを示した代表的な指標です。
この「IRR」がローンの金利などを上回っていれば、投資をすることで利益が得られることになります。小難しそうですが、エクセルなどの表計算ソフトで関数名「IRR」を用いれば、簡単に計算できます。
前回触れました 「単年度の利回りの考え方」をベースに、上記のような中・長期的なシミュレーションを立てた上で、投資するか否かの判断を行うとよいでしょう。ただし、あくまでシミュレーションなので、絶対的なものではない点にはご注意ください。
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| [FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 大倉修治] |
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