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不動産投資講座
4.不動産投資のリスク
 投資商品を選ぶときは、その投資商品が持ついろいろなリスク(収益のブレ=不確実性があること)を事前に押さえておくことが重要です。不動産投資には、他の投資商品にはない特有のリスクがあります。事前にどんなリスクがあるかを把握し、それを見込んだ上で投資するかどうかの判断をしていく必要があります。
(1) 市場リスク
 不動産投資の収益の源泉となる賃料や不動産の価格は、不動産を取り巻くマーケットの環境(市況)の変化などによって変動することがあります。その結果、不動産投資によって得られるインカムゲインやキャピタルゲインに“ブレ”が生じ、場合によっては収益(リターン)が得られないことがあります。
  具体的には、景気が悪化することなどによって、投資対象となるオフィスや住居に対する需要が減り、価格や賃料が下落したり、空室率が上昇したりすることがあります(もちろん、これとは逆のことも起こり得ます)。
  後者の借り手(入居者)がいなくなり、家賃収入がなくなることを「空室リスク」といいます。通常、将来にわたってずっと家賃が途切れることなく入ってくる(=常に入居している)ことは考えにくいです。ですから、不動産投資の判断をする際には、空室になってしまう(=家賃収入がなくなる)確率を、ある程度(年間5〜10%程度)見込んでシミュレーションを立てておく必要があるでしょう。
  ここ数年、主にマンションに対する投資では、この空室リスクを避けるために、「一括借上」を行う不動産業者が増えてきています。このシステムは、入居中・空室に関わらず家賃収入を保証(家賃保証)したり、入居者の募集やトラブルの解決や家賃を滞納している人への対応などの管理業務を行うというものです。家賃収入のうちの一定割合を支払うことなどによって利用することができます。ただし、空室リスクを避けることができる代わりに、家賃収入のうちの一定割合を支払ってしまうため、手取り収入は少なくなり、投資としての利回りは下がってしまいます。
  不動産投資に期待する収益、投資した物件に家賃保証してもらう必要があるかどうかなどをよく考えた上で、このシステムを利用するかどうかを決めた方がよいでしょう。

(2) 金利上昇リスク
 不動産投資をする際に借入れ(ローン)を中心に資金の調達をする人には、現在の低金利の状況は、前回触れました「レバレッジ効果」が得やすいこともあり、非常に魅力的といえます。しかし、この低金利がいつまで続くかはわかりません。今後、金利が上昇する可能性もあるでしょう。
 投資をする際に、金利が変動するタイプのローンを利用した場合、金利の上昇によって、ローンの返済額が増えてしまう可能性があります。ローンの返済額が増えると、当然、手取り収入は減り、収益も下がってしまいます。
 また、一般的に金利が上昇すると、安全性・確実性が高いとされる預金や国債などへの投資を行う人が増えることが想定されます。それが結果的に不動産価格に影響を与えることもあります。
 ただし、中長期的に見た場合、金利上昇の背景が、景気回復に伴うようなものであれば、賃料や不動産価格の上昇も見込めますので、結果的に金利上昇による収益の悪化を軽減できることもあります。また、不動産投資において、金利は不動産所得の計算をする際に必要経費に含めることができます。その結果、一定の税務効果が得られますので、住宅ローンと比べると金利上昇の影響は小さいともいえます。

(3) 流動性リスク
  現物不動産投資の場合、その投資対象となる不動産は、一般の金融商品と比べてやや流動性が低いといえます。例えば、急にお金が必要になったときなど、すぐに現金化できないので注意が必要です。
 不動産投資は、賃料収入(インカムゲイン)だけではなく、将来売却するときの価格のことも含めてその収益性を検討する必要がありますので、売却のタイミングは大切なポイントの一つとなります。

(4) その他のリスク
  地震や火災などによって投資対象となる建物に損害が出る場合や、建物そのものや設備が老朽化した場合には、収益性が悪化することになります。一定の収益性を保つには、管理・運営の状況がポイントになります。また、将来の修繕費用等もある程度見込んでおく必要があります。
 その他、税制や建築基準法などの法規制の改正によって影響を受けることもあります。

 以上のようなリスクがあることを踏まえた上で投資する必要があるでしょう。


[FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 大倉修治]
     
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