|
|
東京都内では今年の6月、東京メトロ副都心線が開通する予定です。副都心線は池袋と渋谷間の約9キロメートルを結ぶほか、池袋経由で東武東上線や西武池袋線から電車が乗り入れます。また、2012年度には渋谷駅で東急東横線と接続する計画です。東京メトロでは副都心線の利用者を1日あたり30万人弱、東急東横線との相互乗り入れが始まる2012年度には30万人強と試算しています。副都心線が開通すれば、東京の多摩地域北部や埼玉県の西部の住人にとっては従来の池袋に加え、新宿や渋谷へのアクセスが容易になります。一方、2012年度には東横線沿線の住人がダイレクトで新宿、池袋にアクセスできるようになります。そのため、池袋や新宿、渋谷では集客力の向上を狙って、百貨店各社が大規模な改装に乗り出しています。池袋では東武百貨店が約90億円を投資して昨年末に総菜売り場の改装、今年3月には生活雑貨売り場の改装を計画しています。西武池袋本店は2008年以降、大規模な改装を予定しています。また、東京メトロは2008年度中に大型商業ビルと地下街「エチカ池袋」を開業します。場所は池袋西口の東武百貨店近辺で、大型商業ビルが地上9階、地下3階、延べ床面積8000平方メートルとなります。「エチカ池袋」は副都心線と有楽町線のコンコースに開設します。 |
新宿では京王百貨店が今年3月、約80億円を投資した全館改装を終えて新たにオープンします。小田急百貨店も2009年の秋を目標として、売り場を新しくする予定です。高島屋は昨年4月、130億円を投じて紳士服と婦人服を同じフロアで販売できるように改装しました。伊勢丹本店は昨年6月、地下の食品フロアを改装したほか、2009年秋までにリニューアルを完成させる計画です。渋谷では東急グループが東口の旧東急文化会館跡地に高さ188メートルの複合ビルの建設を計画しており、2012年の完成を目指します。大規模な商業施設に加え、国内最大規模となるミュージカル劇場なども併設されます。最も多くの乗降客が見込まれる「新宿三丁目駅」は、地下通路から伊勢丹や高島屋、三越とつながります。昨年10月、三菱地所は大和ハウス、平和不動産などと共同で新宿の「日本テレビゴルフガーデン跡地」を買収しました。取得額は2300億円に達し、3〜5年後の完成後をメドにオフィスを中心とした複合開発を進める計画です。落札価格が高額なこともあって、開発後のオフィス賃料はかなり割高になると予想されますが、会社側では副都心線の「東新宿駅」に隣接する立地のよさから、十分な需要が見込めるとみているようです。また、東京都内の2007年1月1日時点での路線価は、副都心線沿いの渋谷や池袋で最高路線価が30%を超える上昇となりました。このように、副都心線は沿線で経済効果を早くも生み出しており、今後の更なる経済効果が期待されています。副都心線の開業によって消費者の流れが変化し、競争が激化する百貨店の構図に影響を与える可能性もありそうです。
text-by:株式会社フィスコ 円崎剛史
*上記レポートは内容を保証するものではございません。投資にあたっての意志決定はお客様ご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。 |
|
関連企業
|